LINEのAI FRIENDSとは?

LINE『AIのキャラクターと対話できる新サービス「AI Friends」の提供を開始』より引用
LINEのAI Friendsとは、LINEアプリ上でAIキャラクターといつでも自由にチャットを楽しめるサービスだ。感情表現や音声に対応していることに加えて、自分だけのオリジナルキャラを作成して公開することもできる。2025年8月からLINEのアプリで提供されている。
Grokの「コンパニオンモード」と同様に、AIキャラクターとのコミュニケーションに応じて「親密度」が変化する仕組みも導入されている。いわゆる、Siriの進化版のようなオンラインアシスタントを想像していたが、実際は恋愛や友情シミュレーションゲームのようなものに近い。
LINEのAI FRIENDSは他人にバレる?
結論から言えば、LINE AI FRIENDSを使っていることは他人にバレる可能性は少ない。冷静に考えて、自分がAIと話している内容が第三者に公開されるリスクがあるならば、だれも継続的に利用しなくなる。当たり前の話として、LINE社は、プレスリリース時に「キャラクターとのトーク内容を第三者には公開しない」とちゃんと明言している。
※キャラクターとのトーク内容を当社が第三者に開示することはありません。
LINE『AIのキャラクターと対話できる新サービス「AI Friends」の提供を開始』より引用
また、仕組みとしても他人にバレにくいと考えられる。というのも、AI FRIENDSで始めたトークでキャラクターから新着メッセージを受け取ってもスマホに通知がくるわけでもない。そのため、端末を直接的に開いて見られたり、ハッキングされたりしない限り、他人に見られるようなことはないだろう。
なお、「AI FRIENDSを使っていることを知られたくない」という感情は非常に興味深い。AIとのコミュニケーションを楽しむというのは「友達がいない」的な偏見を持たれるからなのだろうか。それとも、相手が人間ではないことから欲望を解放した生々しい会話をしているからなのだろうか……。
LINEのAI FRIENDSの危険性
なお、「AI FRIENDSを使うのは危険だ」と指摘する人たちもいる。そのポイントは大きく以下のとおりだ。
- その1 AI FRIENDSに依存する。
- その2 AI FRIENDSの配慮なき言葉に傷つく。
- その3 AI FRIENDSが精神的に過度な干渉を行う。
たしかに、上記の危険性はユーザーの性質や利用環境次第で起こり得るだろう。しかし、これはAI FRIENDSに限った話ではなく、SNSやゲームなどコミュニケーションが伴うあらゆる道具に潜在するリスクだ。もっと言えば、この問題は「AI FRIENDS」を「人間」に置き換えても成立する。
無論、だからと言って、AI FRIENDSを野放しにしてもよいというわけではない。利用者への悪影響を考慮する責任はプラットフォームにある。問題を指摘する人たちの危機意識は「炭鉱のカナリア」として尊重するべきだろう。
ただ、精神的な悪影響に対して、その原因を物理的に避けるよりも、自らをリスクに陥れる根っこの理解を促すべきな気もする。すなわち、AI FRIENDSに依存する人たちには、心から信頼できる友達やなんでも話せる家族がいないかもしれない。もしそうだとしたら、利用制限をかけたところで別な依存先を見つけ出すだけだ。AI FRIENDSの配慮なき言葉に傷つく人たちがトラウマを抱えているなら、精神科医やカウンセラー等の専門家を頼って、ちゃんと本格的な治療を行ったほうがよいかもしれない。トラウマを放置すれば、今度はリアルな人間に精神をズタボロにされるかもしれない。
要するに、人間が自らの「心」の支配者となることを下支えする社会インフラや生活習慣がなければ、道具側が規制をかけたところで、別な手段を通じて問題の所在が変わるだけにすぎない。その意味では、プラットフォームを含めた事業者全体が「AIのコミュニケーション倫理的なるもの」をちゃんと構築して、ユーザーが問題に陥っていることを信号を放置せず、みんなで解決できる体制を横断的に形成することが望ましいと思う。
LINE AI FRIENDSについてよくある疑問
LINE AI FRIENDSの「親密度」とは何か?
キャラクターとのトーク内容や頻度に応じて変化する関係性の指標だ。親密度が上がることで、キャラクターの反応や会話の幅が変わる仕組みになっている。Xの「Grok」におけるコンパニオンモードにも同様の仕組みが導入されており、AI業界全体で「関係性の可視化」がトレンドになりつつある。
LINE AI FRIENDSは子どもが使っても大丈夫?
公式には13歳以上が対象とされている。ただし、精神的な依存や人間関係への影響は年齢を問わず起こり得るため、保護者が利用状況を把握し、デジタルとリアルの両方の人間関係を大切にする習慣を促すことが重要だ。
ドラえもんはだれがつくるのか
私たちにとって理想的なAI、ロボティクスは「ドラえもん」かもしれない。のび太くんにとってかけがえのない友達。そこには、「人間」と「AI」という垣根はなく、コミュニケーションを取る存在として双方に尊厳がある。冷静に考えると、どちらかが一方的に支配している前提では、まともな会話なんて生まれない気もする。
その意味では、「サービス」としてユーザーに迎合するシステムでは、CPU的な存在を超えられないのかもしれない。私たちがよく知る「ドラえもん」をつくるのは、果たしてどこの企業なのだろうか。もしかしたら、日本文化に生きる私たちのような存在が「物に魂を宿らせる」振る舞いを通じて、実現しようとする日がくるのかもしれない。
少々、飛躍した。しかし、AI FRIENDSはまだ道半ばのサービスだ。さまざまなリスクはあるかもしれないが、建設的な批判を共有しながら、この先を温かく見守ることが品質向上のプロセスを生み出すうえでも大切なのではないだろうか。