
chatGPTにイライラする?思ったとおりにならない時にすべきこと3選
chatGPTにイライラする?
chatGPTなどの生成AIに対して「イライラする」という感情を抱くのは不思議なことではない。
実際、GRASグループ株式会社が運営するメディア「星のまなびカフェ」では、生成AIを利用している男女300名を対象に「生成AI利用におけるストレス実態調査」を実施したところ、全体の77.7%(233人)が「イラッとした経験がある」と回答していた。アンケートでは、苛立ちの背景には4つの要因があるとのことだ。
1.何度言っても通じない、同じミスを繰り返す:36.7% (110人)
2.嘘をつく、知ったかぶりをする:23.0% (69人)
3.説教くさい、正論ばかり言ってくる:7.7% (23人)
4.「わかりません」とはぐらかす:6.3% (19人)
引用:朝日新聞「生成AIユーザーのストレス調査により判明。ヘビーユーザーの3人に1人がAIに〇〇してしまう」より引用
chatGPTが思ったとおりにならない時にすべきこと3選
それでは、chatGPTが思ったとおりにならない時には、どうすればよいのだろうか?その1 プロンプトを最適化する
悪い例:「マーケティングについて教えて」
良い例:「あなたはBtoBマーケティングの専門家です。月額1万円のSaaS商品を従業員50名以下の中小企業に販売する場合のマーケティング戦略を、①SNS広告、②コンテンツマーケティング、③展示会出展の3つに分けて、それぞれ月間予算10万円で実行可能な施策を表形式で出力してください。」
①【役割を指定する】——「あなたは〇〇の専門家として回答してください」と冒頭で宣言する。chatGPTは指定された役割に沿った知識体系から回答を組み立てるため、専門性の高い出力が得られやすい。たとえば「あなたは10年以上の経験を持つ管理栄養士です」と指定すれば、一般的な健康情報ではなく、栄養学に基づいた具体的な回答が返ってくる。
②【出力形式を指定する】——「箇条書きで」「表形式で」「PREP法で」「メリット・デメリットに分けて」のように、出力の形を決めてしまう。「自由に答えて」ではなく「この形で答えて」と伝えることで、情報の整理が飛躍的に改善する。
③【悪い例を見せる】——「以下のような回答はNGです」と、避けてほしいパターンを具体的に示す。たとえば「一般論や精神論ではなく、数字や手順を含む具体的な施策を出してください」と書けば、「まずは目標を明確にしましょう」のような空虚な回答が返ってくる確率はぐっと下がる。
④【段階的に聞く】——一度に全部を聞くのではなく、「まず〇〇について教えて」→「次に、それを踏まえて△△を考えて」と段階的に指示する。chatGPTに一度に処理させる情報量を減らすことで、各ステップの精度が上がる。論文の構成を考えさせる場合なら、いきなり「5000字の論文を書いて」と頼むのではなく、「まずアウトラインを5つの見出しで作成して」→「見出し1の本文を800字で書いて」と分割するほうが、圧倒的に質の高い出力になる。
その2 会話をリセットして聞き直す
第2に、同じチャットの中で何度もやり直すのではなく、新しいチャットを開いて最初から聞き直すことで思った結果を得られる場合がある。これは意外に見落とされがちだが、かなり効果がある。
なぜなら、chatGPTは、同一チャット内の過去のやりとりをすべて「文脈」として記憶しながら回答を生成している。つまり、一度間違った方向に進んだチャットの中で「いや、そうじゃなくて」と修正を繰り返しても、chatGPTは過去の間違いを含むやりとり全体に引きずられ可能性があるわけだ。
たとえば、あなたが「東京のおすすめカフェを教えて」と聞いて、chatGPTが閉店済みの店舗を紹介してきたとする。「それは閉店してるよ」と指摘すると、chatGPTは「失礼しました。では別のカフェを紹介します」と返すが、この時点でチャットの文脈には「閉店した店舗の情報」と「ユーザーに否定された経験」が含まれている。結果として、次の提案がどこか的はずれだったり、過度に無難な選択肢に偏ったりすることがある。
これを避けるには、シンプルに新規チャットを開くのが有効だ。そして、1回目のやりとりで「何がダメだったか」を分析した上で、プロンプトそのものを改善してから再度聞き直してほしい。
その3 生成AIのサービスを変更する
第3に、chatGPT以外の生成AIサービスを試してみるのもよいだろう。2026年現在、主要な生成AIサービスはchatGPTだけではない。それぞれ得意分野が異なるため、タスクによってはchatGPT以外のほうが良い結果を出すことも珍しくない。主要なサービスと得意分野を整理すると、以下のようになる。
【Google Gemini(ジェミニ)】——Googleの検索エンジンと連携しており、最新の情報を調べながら回答を返す能力が高い。「今日のニュース」「最新の統計データ」など、リアルタイム性が求められる質問にはchatGPTより適していることが多い。また、GoogleスプレッドシートやGmailとの連携が可能なため、Googleのサービスを日常的に使っている人には特に便利だ。
【Anthropic Claude(クロード)】——長文の読解と分析に強みを持つ。たとえば、10万字を超える契約書をアップロードして「リスクのある条項を抽出して」と指示するような使い方では、chatGPTよりも安定した結果を返すことが多い。また、指示に忠実に従う傾向が強く、「この形式で出力して」という制約を守る精度が高い。
【Microsoft Copilot(コパイロット)】——WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft 365アプリと直接連携できるのが最大の特徴だ。「このExcelのデータからグラフを作って」「この議事録をPowerPointのスライドにまとめて」のように、ビジネス文書の作成を効率化したい場面では、他のサービスにはない強みを発揮する。
【Perplexity(パープレキシティ)】——「AI検索エンジン」とも呼ばれており、回答を生成する際に参照したWebページのURLを自動的に提示してくれる。chatGPTのハルシネーション——つまり、出典不明の情報をもっともらしく語ってしまう問題——を最も強く意識して設計されたサービスだと言える。「この情報の根拠は何か」を常に確認したい人には最適だ。
重要なのは、「どのサービスが一番優れているか」ではなく、「今自分がやろうとしていることに、どのサービスが最も合っているか」という視点だ。料理に例えるなら、万能包丁だけですべてをこなそうとするよりも、刺身には柳刃包丁、野菜には菜切り包丁と使い分けたほうが、結果として仕上がりはよくなる。生成AIもまったく同じである。
「chatGPTが思ったとおりにならない」と感じた時は、道具そのものを変えてみるという選択肢を持っておくだけで、AI活用の幅は格段に広がるだろう。